市場に行くと、
問屋さんから言われることがあります。
「今日はこれがいいよ」
もちろん、参考にはします。
問屋さんは、
毎日たくさんの魚を見ています。
産地も相場も知っている。
長く付き合っていれば、
私の店がどんな魚を使うのかも、ある程度わかっています。
でも、その言葉だけで買うことはありません。
最後は、自分で魚を見る。
手に持つ。
張りを確かめる。
値段を見る。
そして、自分で納得して買います。
問屋さんに「いいよ」と勧められても、
自分で見て違うと思えば買わない。
そこでやめる勇気も必要です。
実際、そういうことは何度もあります。
問屋さんが良いと言った魚でも、
自分には少し違って見えることがある。
逆に、値段は高くても、
これは買いたいと思う魚もあります。
結局、良いか悪いかを最終的に決めるのは、
自分しかいません。
買った魚を店に並べるのも自分。
お客さんに売るのも自分。
おろして食べて、
良かったか悪かったかを確かめるのも自分です。
だから、自分で見て納得して買った魚なら、
思ったほど良くなかったとしても、
基本的には問屋さんのせいにはできません。
もちろん、明らかに状態がおかしい魚なら話は別です。
でも、自分で見て、
値段にも納得して買った魚なら、
その判断は自分の責任です。
市場では、
問屋さんとの信頼関係が大事だと言われます。
それも本当です。
長く付き合っていると、
前に買った魚があまり良くなかった時に、
「この前の魚、あまり良くなかったよ」
と話せる関係になります。
そうすると、
「じゃあ今日は少し値段を引いておくよ」
とか、
「これを少し付けておくよ」
と言ってくれることもあります。
私は、そういうのが信頼関係なんだと思っています。
魚の判断を全部任せることではありません。
何かあった時にも、
きちんと話ができる。
でも、最終的に決めるのは、
やっぱり自分です。
問屋さんが「いい」と言ったから買うのではなく、
自分で見て、納得したから買う。
違うと思えば、やめる。
少し高くても、
納得いったら買う。
そして、買ったあとの責任も自分で持つ。
仕入れって、
結局そういうものなんだと思います。
問屋さんとの信頼関係は大事です。
でも、信頼しているからといって、
判断まで任せるわけではありません。
参考にはする。
話も聞く。
でも、最後は自分で見る。
自分で決める。
それで失敗したとしても、
自分で選んだ魚なら、
簡単に人のせいにはできません。
それも含めて、
仕入れなんだと思います。


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