魚屋がお寿司を勉強しようと思った理由【第1回】

魚屋が握ったマグロや白身魚、エビなどのお寿司

最近、魚の値段が本当に高くなりました。

毎日のように豊洲市場へ仕入れに行っていますが、以前と比べて安く買える魚が本当に少なくなったと感じています。

昔はマグロが高くても、ほかの魚をうまく組み合わせれば、お刺身の盛り合わせを比較的手頃な価格で販売することができました。

ところが今は、そう簡単にはいきません。

マグロはもちろん、ヒラメも高い。アジも高い。イカも高い。ホタテも高い。ブリもサーモンも高い。

正直、何を仕入れても高いんです。

魚屋としては、お客さんにおいしい魚を食べてもらいたい。

でも、商売である以上、利益が出なければ続けていくことができません。

そんなことを考えているうちに、ふと思ったんです。

「だったら、お寿司にしてみたらどうだろう?」

目次

お寿司なら、魚の楽しみ方が広がるかもしれない

例えば、マグロを2貫、白身魚を2貫。

お刺身ほどたくさんの魚を使わなくても、いろいろな魚を楽しんでもらえます。

それに、お寿司にはシャリがあります。

お刺身だけでは少し物足りなくても、お寿司なら食事としての満足感があります。

魚の量を抑えながら、お客さんにも満足してもらえる。

そんな商品が作れたらいいなと思ったのが、お寿司を勉強してみようと考えたきっかけです。

魚屋だからこそ、魚にはこだわりたい

もしお寿司を作るなら、魚屋ならではのものにしたいと思っています。

特に白身魚については、できるだけ天然物を使ってみたいですね。

もちろん、養殖魚にも品質が安定しているというよさがあります。

ただ、個人的には天然魚ならではの味わいに魅力を感じています。

ヒラメ、スズキ、マゴチなど、その日の仕入れによって、おいしい魚を選ぶ。

せっかく魚屋がお寿司を作るのですから、魚のよさを生かしたお寿司にしたいと思っています。

刺身でおいしい魚が、お寿司でもおいしいとは限らない?

お寿司について考えるようになって、気になっていることがあります。

それは、刺身でおいしい魚が、お寿司でもおいしいとは限らないのではないか、ということです。

例えば白身魚。

刺身なら、鮮度がよく、コリコリとした歯応えのある魚もおいしいですよね。

でも、それをお寿司にした場合はどうなんでしょう。

身が硬すぎると、シャリとの一体感がなくなってしまうのではないか。

反対に、少し身が落ち着いた魚の方が、シャリとよく合うこともあるのではないか。

そんなことを考えています。

お寿司は魚がおいしいだけではなく、ネタとシャリのバランスが大切なんでしょうね。

このあたりは、実際に作って食べ比べてみたいところです。

昆布締めや魚の仕込み方にも興味があります

例えば天然のマダイ。

野締めのマダイは、身が柔らかく、水っぽく感じることがあります。

そういう魚をお寿司にするなら、少し塩を当てたり、昆布締めにしたりするのも面白いかもしれません。

もちろん、何でも昆布締めにすればおいしくなるというわけではありません。

魚によっては、そのまま食べた方がおいしいものもあります。

ヒラメ、マダイ、スズキなど、それぞれの魚に合った仕込み方があるはずです。

魚屋として長年魚を扱ってきましたが、お寿司という視点で考えると、また違った発見がありそうです。

一番難しそうなのはシャリ

魚については、ある程度の経験があります。

でも、お寿司となると話は別です。

特に難しそうだと思っているのがシャリです。

お米の種類、炊くときの水加減、すし酢の量、シャリの大きさ。

考えることがたくさんあります。

今のところ、シャリは1貫16gくらいを目安にしてみようかと思っています。

そして、私が特に気になっているのがお米の炊き加減です。

持ち帰りのお寿司ですから、箸で持ち上げたときに崩れてしまっては困ります。

かといって、口に入れてもご飯が固まったままでは、おいしいお寿司とは言えません。

箸で持っても崩れず、口に入れると自然にほどける。

そんなシャリを作れたらいいなと思っています。

魚屋のお寿司、これから勉強してみます

魚屋として長年仕事をしてきましたが、お寿司についてはまだまだ知らないことばかりです。

魚の切り方や仕込み方、シャリの炊き加減。

おそらく、実際に作ってみないとわからないことも多いでしょう。

ただ、せっかく魚屋がお寿司を作るのなら、魚のよさを生かしたものにしたい。

何でも新鮮ならいいわけでも、何でも熟成させればいいわけでもない。

その魚が一番おいしく食べられる状態を見極める。

そこは、魚屋として大切にしたいところです。

まだ販売する段階ではありませんが、これから少しずつ勉強してみようと思っています。

うまくいくかどうかはわかりません。

でも、新しいことを覚えるのは、いくつになっても面白いものです。

これから試してみたことや、気づいたことを、このブログで紹介していきたいと思います。

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この記事を書いた人

築地・豊洲市場に通って30年。街の小さな魚屋として、旬の魚や、おいしい魚の選び方、下処理・食べ方を魚屋の目線で紹介しています。

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