魚屋をやっていると、「弁当もやればいいのに」と言われることがあります。
たしかに、弁当はお客さんから見れば便利です。
そのまま食べられるし、買う側からすれば楽なことも。
でも、弁当はやらないことにしてるんです。
弁当を専門にしているお店は別です。
ちゃんと仕組みを作って、数を作って、売り方まで考えている。
そういうお店だから成り立つ商売だと思います。
ただ、うちのような小さな魚屋がやるとなると、話は変わります。
魚って、手間をかければかけるほど儲からないと思うんです。
そして手間の分だけ高く売れるかといったら、なかなかそうはいきません。
本当は、買ってきた魚をそのまま売るのが一番いい。
手間も少なくて、利益も残りやすい。
でも、そうもいかないんですよね。
魚をおろしていると、どうしても端材が出ます。
その端材を天ぷらや煮付けにして、できるだけロスをなくす。
惣菜をつくる理由は、そこなんです。
弁当になると、ご飯もいるし、容器や蓋、割り箸、ソースやタレ類まで準備しなければいけない。
そこまで手間とコストをかけても、うちのような小さな店では高く売りづらい。
むしろ弁当は、安くないと売りにくい。
しかも残った時が難しい。
そして何より刺身に時間をかけたい。
弁当は手間とコストがかかる割に、利益が残りづらい。
うちのような小さな店が、弁当に手を出さない理由はそういうことです。

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